むらさき - MONTHRY ARCHIVES

●広告制作はよく料理に例えられます。
前回書いた『広告屋にしかできないことって?』を考えるときに、「料理人にしかできない料理って?」と置き換えると分かりやすいかもしれません。料理は小学生でも出来る。工場のベルトコンベアーの上でもつくられる。だけどプロは、同じ材料を使っていても、切り方や下ごしらえに技術が光る。同じ分量の塩を入れるにしても、入れるタイミングが数秒違うだけで味は大きく変わる。調理器具や火力の違いもあるでしょう。

●料理人が旬の材料でつくった料理はやっぱり旨い。
料理は作り手の技術や想い、食べる人との関係性、食べる環境などにより「豊かさ」や「厚み」をどんどん増していくことができる。クラフトマンシップ(=職人芸・職人気質)は、人の心を動かすことができる。クラフトには時間やお金がそれなりにかかっちゃうけども。


●誰しもが得意料理を持っている。
監督やカメラマン、照明、美術、スタイリスト、ヘアメイク、もちろんコピーライターやアートディレクターにも、それぞれの得意分野や過去につくった人気メニューがあります。(そば職人がマカロニグラタンを作らざるを得ない、なんて不幸なこともたまにありますが...)もちろん厨房の中だけではなくホール係の接客や立地条件、コストパフォーマンスやライバル店の状況も、食後の満足感や成果を左右しまっす。

●「ごちそうさま。また来るよ」 
広告を食べてくれたお客さんに、こんなんだったら誰にでもできるじゃん!こんな味どこにでもあるよ!と思われないために。そして、また食べてもらうために。今日も広告屋は包丁や鍋を磨き、旬の食材や幻の調味料を仕入れ、自分のマル秘レシピを時代に合わせて改良しています。


●『広告屋にしかできないことって?』
「にしか」なんて無いかもしれない。けど、世の中の変化に瞬時に対応するスピードと柔軟性が僕らの武器。

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ちなみに、タイトルと本文はあんまり関係ありません。


Posted: 2013年11月30日 09:00

先日、美術館でこんな説明文(キャプション)をみました。


豊かで厚みのある表現である』

 

ん...?ちょっと違和感あり。広告表現に対しては「豊かなTVCMだ!」とか「厚みのあるグラフィックね!」なんて言わないから。意味が分かんない時、僕はとりあえず辞書を引きます。

 

"豊か" は、十分に備わって不足のないさま。"厚み" は、奥深く豊かな感じ。"奥深い" は、深い意味がある/深遠である。"深遠" は、容易にははかり知れないこと。つまり、『豊かで厚みのある表現』を言い換えると「不足がなくて、奥深い意味があって、容易にははかり知れない表現」...。アートってすげー!

 

我々は毎日さまざまな「表現」に接触して、自らも生み出しています。「表現」というと大袈裟な感じですが、発言・文面・写メ・カラオケ・スタンプ・料理なんかも、ぜんぶ表現です。簡単&低コストで表現できるナイスなツールがどんどん生まれて、表現が流通するための経路(今どきの言葉でいうとチャネル、しかも無料)も増えました。

 

みんな目が肥えて耳が肥えて、Twitter、Instagram、食べログ、ボケて、YouTube、ニコ動などなど、1億総表現者 兼 1億総コメンテーター状態。そこは美術館と違って、不足もあるし、意味も浅い。けど、自分と関わりのある表現やリアルタイムで生々しい表現はやっぱり面白い。今この瞬間も大量生産・大量消費されて、量が質を生んでいます。10ウン年前はインターネットなんて便所の落書きだ!なんて声もありましたが、落書きも集まれば価値があるし、秀逸な落書きは猛スピードで拡がり、シェアされる時代です。飲み屋や部室や井戸端や市民ホールで見せ合っていたような個人の「落書き」や「表現」が、数時間で何万人にどわーっと拡がるなんて、おそろしくて、おもしろいですよね。

 

では、こんな時代に「広告表現」をナリワイとしている広告屋にしかできないことってなんでしょうか?広告表現における「豊かさ」や「厚み」って?ややこしいテーマに踏み込んでしまい、自分で投げたブーメランにやられそうですが、次回へつづきます。

 

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( ・∀・)ノ --==≡≡くへくへくへ


Posted: 2013年11月26日 09:30

vocamat.jpg僕はCMを企画する時に「A方向はバカパク、B方向はバカシブ。もう少し知的な案も要るかなぁ...」と考えることがあります。その時に思い浮かべるのは、タモリが司会をしていた番組『ボキャブラ天国』のボキャブラマトリックス。横軸が「シブイ」左⇔右「インパクト」、縦軸が「知的」上↑↓下「バカ」となっていて、投稿されたネタは【バカパクバカシブインパク知シブ知という4つに分類されていました。(ひたすらにバカ、小島預かり、ポイなどもありましたが今回は割愛)。

物事を4つのマトリックス(XY座標)に分類するという手法は、仮説の検証や市場の分析といった広告戦略でもよく使われます。女性的⇔男性的、高級感⇔親しみやすさ、ファッション性⇔実用性、かわいい⇔綺麗、リアル⇔バーチャルなどの縦軸横軸があって「この商品はもっと女性に使ってほしいからタレントを男女共演にしよう」とか「競合商品に比べて高級感が弱いからBGMをオーケストラにしよう」なんてことが起きるわけです。


で、話はボキャブラマトリックスに戻りますが、ACC CM FESTIVALの入賞広告
TCCの入賞広告を【バカパク】【バカシブ】【インパク知】【シブ知】に分類してみると、ここ数年は「シブ」や「知」寄りのものが高評価なようです。「インパクト」や「バカ」が少し飽きられている?元々CMの得意分野だった【バカパク】がネットメディア(まとめサイトやYouTube、ニコ動など)にうつったのかな?という印象もあります。

ミーハーな広告屋らしく流行語を引用して考察をすると、倍返しのインパクト、おもてなしのシブさ、今でしょ!の知性、じぇじぇじぇ!のバカっぽさのどれが流行語大賞をとるかによって、
広告戦略をシフトする必要があるのではないか?!

「んなこたない」というタモさんの声が聞こえましたので、今日はこのへんで。


Posted: 2013年11月18日 17:37

はじめまして、村山覚と申します。所属は今年10月にできたばかりの6CRP(クリエーティブ・プランニング)という部署です。6CRPと1~5CRPの最大の違いはみんな電通関西支社に所属していたこと。全員関西出身でおもろいことしか言わないボケツッコミ軍団、というわけではないのですが(僕は埼玉出身です)関西育ちの6CRPは、正直で、人情味があるコミュニケーションが得意なんじゃないかなと思います。ちなみにこのラボを立ち上げた佐藤尚之さんも関西育ちのコミュニケーション・ディレクターです。

関西ではいろんな事を学びましたが、その一つに「ええかっこしいはかっこわるい」ということがあります。看板に「モダン」を掲げているこの場所には、スマートでイノベーティブなことが次々とアップされていくと思いますが、僕はそういうのは書けませんし、背伸びしてもボロがでるので無理はしません。ちなみにボロは襤褸って書くそうです。そうそう、「お前ちょくちょくちなみすぎや、ちなむな」と言われたこともあります関西の先輩に。

DMCラボや個人でインプットしたことを、なるべく簡単な言葉で、ゆるくふわりと正直に綴っていきたいと思います。これからよろしくお願いします。


Posted: 2013年11月15日 09:30
Satoru Murayama
村山 覚 / Satoru Murayama

PROFILE

第5CRP局 コピーライター/CMプランナー
名刺上はこのような肩書ですが「一行の力」や「15秒の短編」で何とかできることは稀で、じっくり&にっこりとストーリーテリングをする仕事だよなぁと思う今日この頃です。