電通でコピーライターやってるけど質問ある? - MONTHRY ARCHIVES

地上最強のCMプランナー

 

そう評する声も耳に入ってくるような広告界のスター。

それが福里真一さんです。

なにせ、手がけたCMのほとんどが「ああ!あれね!」となる超有名作に。

しかもいろんなジャンルの業界・商品を手がけ、幅の広さもすさまじい。

(そのへんのことはWikiに詳しいです)

 

先々週、ひょんなきっかけからその福里さんと飲みに行くことがありまして、ほんとに恐れ多いんですが4時間も語り尽くすという贅沢な時間をいただいたわけなんですがもうびっくりするくらい学びが多すぎたんでちょっとツイート連打したらものすごくリツイートやらふぁぼやら反響がありまして。

せっかくなのでこっちに、4つの学びをまとめておこうと思います。

最近出版された、福里真一さんの著書「電信柱の陰から見てるタイプの企画術」とも重なる部分が多くありますので、本は必読です。

 

 

① 企画は "記憶"

Memories 

4時間のうちの98%は、福里さんの面白話を聞いていたわけですけど。

もうその記憶が鮮明どころのはなしじゃないわけです。

ものすごくディティールまで、そして(どの出来事のほうが先でといった)時間軸も含めて、とことん鮮明。特に、「自分はこう感じた」という感情のところがなによりも鮮明でクッキリしていることです。

 

福里さんは本の中でこう書いています。

 

「(人間の頭は)ゼロから何かを思いつくことはできない。

必ず、過去の何かから何かを思いつくんですね。

その過去の何かというのが、結局は記憶だと思うんです」

 

記憶っていうとついつい知識とか情報とか、そっちをイメージしがちですけど。

そうじゃなくて、感情もぜんぶひっくるめて記憶。

そこから思いついていく。

それが「企画は記憶」なわけですね。

 

 

② ものさしを持とう

 rulers

 

会の話題はやっぱり「今年のあの広告はこれが面白かった」とかになるわけですが。

福里さん、ものさしが極めて具体的で、明確。

 

海外広告賞の審査員も務められる電通の先輩には、こう叩きこまれました。

「クリエーターの名前で広告を判断するような人間にはなるな」

福里さんはそういうの一切ない。

自分のものさしにそって、「これはここがよかった」「これはここがこんな理由で気になった」「グランプリには、こうこうこういう要素が必要なんだ」と、語ってくださいました。

 

「企画とはシミュレーション」というのは、電通の澤本さんのことば。

いろんな案を考えて、あれこれ未来を描きながら話題になるか?商品が売れるか?などシミュレーションを繰り返すこと。それが企画だと。

だから、ものさしを何個も持って、あれこれ企画をシミュレーションしていく。記憶を下地に企画していき、ものさしを駆使して磨き上げていく...そんなプロセスの大切さを感じました。

 

 

 

③ 自分らしさより、自分にできることを追え

myself

 

本の中にも出てくるんです、「人は、自分にできることしか、できない」ということが。

ちょっとネガティブに聞こえますよね。

でも、そうじゃない。

 

「クリエーターは優秀なひとから売れていくわけではなくって、自分だけのポジションをとったひとから売れていく」。

これは4時間の最後の方にでてきた言葉です。

むやみに自分らしさを追い求めるカルト信者になるより、ちゃんと得意なことを磨いていきましょ。

ある会社の先輩も、カンヌライオンの常連であるHeinekenのCMなどを見て、「やっぱりああいうセクシーで艶っぽいのは、日頃から肉とワインを食ってる連中にしかつくれないんちゃうか」とおっしゃってました。笑

自分にできること、見極めるの大事。

本の中の冒頭44ページに出てくる「自分らしさという幻想」のくだりなんて、若手なんか特に泣いちゃうんじゃないでしょうか。

 

 

 

④ 商品と人生の交差点を探せ

 Shibuya Crossing

ここ最近、「Social good!」なんつって広告が世界変えるぜ!ってゆー空気がすごくあるような気がしていて。まぁいいんですけど、ちょっと行き過ぎじゃない?と。

実際、9月のスパイクスでもUnilieverのセッションでは「ブランドにソーシャルミッションが含まれない場合、ソーシャルグッドなどという企画を行うべきではない」と警鐘を鳴らしていたりしました。

広告ってやつが尊大な存在になりすぎるのは、ちょっと反対です。

ソーシャルソーシャル言い過ぎると、商品やブランドが置いてけぼりになる印象があります。

それって、もう広告なんですかね?

福里さんの本には、こんな企画術が出てきます。

 

「白いコピー用紙に、左側に商品名を書いて、右側に『人生』と書いて、線でつなぎながら、とある人の人生と商品はどう関わっていくか考えていく

 

1つ目に挙げた「ものさし」なんかも、福里さんはものすごく商品を大切にしていて、

どこまでいっても商品発想。

4時間の中で伺った話の中でも、まるでその商品を世に生み出した発明家のごとくじっくり丹念に、商品と人生の関わりを探っていく印象。

 

 

そーんなエッセンスを学べる福里真一さんの本、読みやすくてサクサクいけちゃいますのでアイデアを日々考えているすべての人に読んでいただきたい所存でございます。

 

Posted: 2013年12月 1日 12:00
Takuya Fujita
藤田 卓也 / Takuya Fujita

PROFILE

東京大学大学院 工学系研究科を修了後、12年電通入社。2年目コピーライターとして、コピーやCM制作だけでなく、デジタル領域の企画なども手がける。ヤングカンヌ国内選考会プリント部門ファイナリスト、NEW STARS日本代表。